◆ 布のおはなし ◆

 

●帆布とは

 木綿、麻を平織りにした厚地の布のことを言います。江戸時代に船の帆に使われたためその名がつきましたが、明治以降になって綿を素材とした平織りの厚手の布を帆布と呼ぶようになりました。昔から鞄、テント、幌などに使われ、化学繊維と違って天然素材だけで作られています。現在は、通学用のカバン、襦袢に付ける衿芯、丸帯・名古屋帯等の帯芯、相撲の廻し、油絵用のキャンバス、建築材料等に使われています。使い続けるほどに味わいが出て、強度・耐久性・通気性にも優れており静電気も起きません。帆布というのはとても優秀な素材なのです。

 綿帆布とは一般的に、経糸(たていと)・緯糸(よこいと)ともに10番手以上を使用したもので、糊などのつなぎを一切使用せず、経糸に撚り糸(数本の糸を撚った糸)を用いて平織りしたものをいいます。綿帆布は厚み(つまり糸の太さ)によって1号〜11号に分けられ、糸の太いほど番号が小さく、細ければ番号は大きくなります。11号、10号は帆布の規格では薄物であり9号、8号、6号は厚物、4号、3号、2号となると極厚物と分けられます。一般に「厚さ」を表すのに、「帆布」の規格があり、1号(厚い)〜11号(薄い)までの記号が使われます。

 その価格は糸の太さや重みではなく、品質で決まります。糸が細くても品質(良質の綿の素材、防水性、通気性、染料、風合い)が良ければ高品質です。

*「帆布」、「キャンバス」、「ダック」とは、ほぼ同じ意味で使われています。

 

 

●帆布の特徴

 ・ナイロンと比べると素材自体の引き裂き強度が強く天然素材だから燃えにくい。

 ・革と違って防水性も高いし、濡れても問題ない。

    といっても濡れたままでは駄目。

    濡れた後はよくふき取って、形を保つ意味と水分を吸収させるために新聞紙

    を中に入れてから陰干しをすれば問題ありません。布だからカバンの中身も

    濡れてしまう心配する人もいますが心配ありません。帆布は濡れることによ

    って目がつまり水を通さなくなります。

 ・帆布は平織りなので表裏の大きな違いはない。きれいな面をお使い下さい。

 ・帆布の特性として、ネップが入る場合がある。

 ・基本的に帆布の染色・糊付け加工品はお洗濯はおすすめできない。

    気になる汚れは手洗いで脱水はせず、しわをのばして干してください。また、

    水洗い等で完全に糊を落としますとくたっとして柔らかな風合いになります。

    但し、水洗いを繰り返しますと縮み・色落は避けられません。また、不完全な

    水洗いでは、糊がムラに落ち、かえって風合いを損ねます。

 

 

●撥水加工と防水加工の違いについて

 防水加工は生地全体をコーティングし、水の侵入を防いでおります。但し、繊維の隙間を埋めてしまうので、通気性や繊維の風合いはなくなります。

 一方、撥水加工は糸の1本1本に水を撥く加工がしてあります。そのため、強い圧力の掛からない水分を撥きます。また、生地の無数の織目を塞いでいないため、水や蒸気や空気などは生地の隙間から通過します。但し、強い雨などは撥水加工では水の浸入を防ぐことは出来ません。

 

 

●縫い方

   工業用ミシンであれば8〜11号帆布は問題なく縫えると思います。ミシンにもよりますが、家庭用ミシンでも大丈夫です。 但し、家庭用ミシンでも色々なタイプがありますので、一概には言い切れません。

  ※縫い代を何枚も重ねて縫う場合は、下記の難点がでてくるので、ご注意下さい。

    針が折れる、曲る

    縫い目が汚くなる

    糸調子がとりずらい

 両割りで押えてステッチをかけるなどして、なるべくミシンに負担をかけないようにしましょう!

   

   

      


  

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